走って帰ろう!

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燃える⑧コミカル②
加藤聡走って帰ろう! (ファミ通文庫)エンターブレイン,2006


第7回えんため大賞・優秀賞受賞作。親が作った借金を返すために、非合法の自転車レースに参加することになった卓也の物語。まるっきり自転車の素人の卓也が、ヤクザを丸め込むのも楽しい展開ですな。ちなみにレースネームは「青い稲妻」です。


元彼女の亜希子や陸上部時代の後輩である松崎など、卓也は恋愛に興味ないくせにモテモテなのはうらやましい。一番のヒロインはやはり、ドックレースの参加者でもある「委員長」でしょうけど。委員長の報われなさっぷりにラブ。かわいいところあるじゃないか。


冷静沈着なふりして意外に負けず嫌いな卓也の視点は、傍観者のような部分があって暗い部分はコミカルに描かれていますし、レースの最中など自転車にのめりこんでいく部分は燃え燃えですよ。どう考えても明るい未来なんてないのに、それを感じさせなくてよい感じ。
日常生活からの乖離と自転車レースにかける思いのバランスとりに思い悩むなどもグッドです。自転車レースの知識がなくても、色々と解説みたいなのがあって十分に自転車レースの醍醐味を味わうことができたと思います。漫画的な面白さ満載ですよ。


加藤聡さんの作品感想


櫂末高彰さんの小説『学校の階段』→感想
葛西伸哉さんの小説『ポチのウィニングショット』→感想
安田剛士さんの漫画「Over Drive」自転車部のお話。
① 学校の階段  Amazon② ポチのウィニングショット  Amazon③ Over Drive  一巻  Amazon