三月、七日。――その後のハナシ
森橋ビンゴ『三月、七日。―その後のハナシ (ファミ通文庫)』エンターブレイン,2004
いけない恋に足を突っ込んでしまった、三月と七日の話。前巻の最後からどういう風に話を持ってくるのかと思いましたが、本当にその後のハナシでした。
割り切ったはずなのにうまくいかない前巻以上に悶々としている三月と、新しい出会いに心境の変化が見えつつある七日の二人の生活が描かれています。二人の気持ちがどうなるのか、見届けたくなりますよね。
七日にアプローチをかけ始めてきた赤坂や三月を想う真希の気持ちが痛いなー。そしてそれ以上に、種類は違うものの不器用なままで日常と向き合っていかなければいけなかった、三月と七日の葛藤は苦しいです。あまりにもストレートなもんだからさ。
甘すぎるわけでも辛すぎるわけでもない最後は、なんとなくですがすっきりしました。不思議です。不思議なことといえば、あとがきにあるビンの話も印象に残っていますね。物語と合わせて、とてもよかった。