空ノ鐘の響く惑星で⑦

空ノ鐘の響く惑星で⑦  Amazon
ファンタジー⑤燃える⑤
渡瀬草一郎空ノ鐘の響く惑星で〈7〉 (電撃文庫)メディアワークス,2005


謎が多く残っていた世界観も徐々に明かされ始めてきたシリーズ7巻目。前巻出てきた大群でやってきた屍の兵の対処に追われるところから始まります。この対処に際して、コウ司教を始めとしたシャジール民に大きな謎が出てきましたね〜。


最初から謎の塊である来訪者も複雑になってきました。リセリナを憎んでいるイリスに、いつも深く考え込んでいるムスカ、会話することが楽しいパンプキン、元の世界に家族をもつバニッシュ、何を考えているのか分からないカトル、ウルクに懐き始めているシア。これまではリセリナに敵対的な来訪者っていう一つの集団みた感じだったんですが、随分と様変わりしてきました。
これまでもちょくちょくそういう描写はあったけど、この巻で決定的になりましたよ。リセリナとイリスの因縁のきっかけとなった、元の世界の話もちょっとだけ語られています。


来訪者も何人か覚悟を決めましたが、覚悟を決めると強いなと思う。
つかみ所のないライナスティも、とある目的のために大活躍してました。飄々としてるわりには、いいところ持っていっちゃってくれます。
囚われの身であるし、色々と抱えているウルクも芯が強いです。おとなしそうな娘なのに、ここぞってときは絶対に引きませんからね。フェリオじゃなくても惚れます。
イリスに立ち向かったエンジュもすごい。初登場時にはここまでキーマンになるとは考えもしませんでしたね。となると、今回チェイニーという騎士も登場してきましたが、今後も絡んでくるんでしょうか。


フェリオと敵対していたカシナートはどう転んでいくのかな。段々と争いの規模が大きくなってきたし、内部争いしてる場合じゃなくなってきましたからね。
ついに実現した、”剣を持った人間”王宮騎士団長ウィスタルと”剣と化した男神殿騎士団長ベリエの対決も必見です。生き様をかけた戦いは、不謹慎かもしれないけどかっこいいんです。


渡瀬草一郎さんの作品感想