トヨタの正体

横田一, 佐高信, 週刊金曜日取材班『トヨタの正体―マスコミ最大のパトロン トヨタの前に赤信号はないのか』金曜日,2006


タブーとしてマスコミが叩くことのできない、トヨタについて書かれた本。価格が違う車でも構造は一緒であるとか、「柳の下の二匹目ビジネス」とか、トヨタ生産方式も楽じゃないとか。
アカデミー賞においてトヨタ車で乗り付けてもらって、いい印象を与える話は大学かどこかで耳にしたな。そのトヨタ車に乗ることが環境に優しいと謳っているけども、本当に環境に優しいのか、なんて疑問も投げかけています。
トヨタが本腰を入れて協賛した愛知万博に関する話題も出てましたね。地元の話題じゃ。万博で二千二百万人を突破したとの報道があったけれども、入場ゲートをくぐった人数であり、リピーターで稼いでいたとか知らなかったな〜。
小泉首相の話も出てましたね。これまでトヨタは政治にあまり関わってこなかったけど、政治に近寄っていく様子が描かれています。


まあ、私が読んでて一番気になったのは、従業員を物としてしか見てないような方針かな。コストカットで大変だという話題は聞いていましたが、これほどとは。なんにしても、従業員の待遇だけは何とかしないといけないんじゃないかと思った。安全に働けない職場は怖いです。
フリーのアルバイト求人誌には、結構トヨタ期間工募集の広告が裏一面に載ってることが多いのですが、今までとは違った意味で気になり始めました。立派な理念でも使い方を間違えちゃだめってことでしょう。
この本ではトヨタのことについて書かれていますが、大企業だったら似たようなところあるような気もします。本体がでかいとこほど、出てくる問題も多くなるでしょうし。
最後のインタビューなどを入れても100頁くらいの本なので、まとめてあり読みやすかったです。トヨタをちょっと違った切り口でさらっと眺めてみたい人向けかな。