描きかけと同じイラストレーターさんですねラブxラブ


ヤマグチノボル遠く6マイルの彼女 (富士見ミステリー文庫)富士見書房,2006


兄の形見のバイクに乗ってロードを走る研の話。兄の恋人であった京子が教師としてやってくるところから始まります。研は京子に惹かれるものの、兄とのことや六歳の年齢差、先生と生徒という立場の違いに阻まれます。もっとも、京子自身も何か抱えている部分がありますが。そんな京子の、先生であろうとするときと素のときとのギャップにはしびれるなー。判断のつきにくい京子の行動に一喜一憂する研もほほえましかった。研を影ながら支える啓介は、後半になかなかおいしいところを持っていきますね。啓介の妹・カオルも研にゾッコンなのでやたらと絡んできますよ。
京子たちの話から、劣等感を抱いていた兄の知らなかった一面を知っていく過程で、徐々に折り合いをつけていく研の成長も雰囲気あります。研だけじゃなくて、京子も変化していきますよ。成長するって意味でも、研との関係においても。「好きじゃなかったら、わたしが許さないわ」とか甘酸っぱさが広がります。ガキと見下しておいて、反撃を食らったりする京子のかわいさといったら。相変わらずツンデレ気味のヒロイン書くのがうまい。
全体通して、なんかこうリアルで泥臭い感じがします。鬱な展開ってわけじゃ全然ないけど、なかなかうまく噛み合わない描写に妙に納得しちゃうような。どうしてこうも女はわがままなのっと失言失言。どれだけわがままでも、わずかなデレがあれば男なんていちころでさ〜。実際私も京子さんに惚れちゃったよ。
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