大森望, 豊崎由美文学賞メッタ斬り!リターンズ』パルコ,2006


大森さんと豊崎さんが辛口で受賞作をぶった切るシリーズ二作目。島田雅彦さんとの対談もあります。辛口批評はやっぱり憧れるな〜。
まずは島田さんも交えての、文学賞の選考委員の変遷について。雑誌の購読者の平均年齢が高いという話に少し驚いた。文壇裏事情みたいなのは、興味持っちゃいますよね。あとタイトルが気になっていた「りはめより」の意味もわかってよかったです。
続いて三年分の選評をぶった切る話。初っ端から津本陽さんの『残虐記』に対する選評で吹いた。凝ってるというかなんというか、オチがすごすぎるのですよ。前回同様楽しく読ませてもらいました。
三つ目は、三十歳以下の新人作家の話題。佐藤友哉さんにも触れられていました。そろそろ読んどくべきかな〜、悩む。日日日さんが職人作家さんってのには賛成。滝本竜彦さんってエッセイを除くと二冊しか書かれてないんですね、未だ私はネガティブを積んでるけど。森見登美彦さんは短編しか読んだことないから、長編も読んどこうと思う。デビュー作が三冊に渡っていたので手を伸ばせずにいましたが、辻村深月さんの『凍りのくじら』と『ぼくのメジャースプーン』は読みたいな。
メッタ斬りの活動記録として、芥川賞ならぬZ文学賞の選考やら芥川賞直木賞の予想などネットでの活動も載っていました。いくつかはネットでつまみ読みしたものもありました。西村賢太さんと松尾スズキさんは気になるな。強力にプッシュされている中原昌也さんも。
最後に「文学賞めった斬り!」大賞なるものもありました。トーナメント形式で進んでいくのですが、出場作品を自分で選び、自分の好きな試合結果にし、自分の好きな作品を優勝させる……最萌トーナメントの進化系だと思う(笑)
巻末の文学賞受賞作を全て点数づけするやつは、共感するのもあったり反論があるのもあったけど、全部ひっくるめて面白かった。あと、読んだことある作品数が少なかったので、エンタメ系ばかりじゃなくて純文系にも徐々に手を出していきたいなと思った。まあ、読みたい本の量が私の読書ペースのキャパを越えてるけど、気にしない方向で。