後一冊しか残ってないのか、寂しいヒールxコミカル


橋本紡半分の月がのぼる空〈7〉another side of the moon―first quarter (電撃文庫)メディアワークス,2006


アニメ化、ドラマ化も果たしたシリーズの七巻目。四つの話が収録された短編集。最後に、エロじじい多田さんが送る多田ファンのための漫画が三本書かれています。
雨(前編)」里香にとっては始めての文化祭を描いた話。裕一はビデオ鑑賞会に誘われ、里香は劇の代役を頼まれそうになります。ある種無駄なことに力を使う裕一を見てると、変わってないなーと思っちゃう。後編も楽しみ。「気持ちの置き場所」峠を攻めている亜希子さんが、危なっかしい運転をしている車を発見する話。久しぶりの登場となる多田さんが懐かしいよ。それにしても、変わることと変わらないことの見極めは、大事なことかも知れませんね。私も読む冊数は減るんだろうか。ちょっと切ない。
君は猫缶を食えるかい?」タイトル通り、猫缶を食うか食わざるかのお話。その状況へのもっていきかたが笑える。急に冷静になったときの言い訳も笑える。なのに最後はまとめるところにまとめちゃう不思議。一番らしい作品かな。「金色の思い出」裕一が里香から借りていた本を巡る話。多田さんも案の定大暴れします。問題の本は『高瀬舟』なのですが、小学生に読んで以来で懐かしかった。なんだかんだ言いつつバカをやって、失態を取り戻すために奮闘する裕一を見ていると和みますよ〜。橋本さんの作品は、親なんていらないと言いつつも、親の存在感があるものが多いですね。
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