七不思議の作り方 Amazon
人の心が一番の謎ってことですなミステリxコミカル


佐竹彬七不思議の作り方 (電撃文庫)メディアワークス,2006


楽しいこと探しに全力を注いでいる秋月や未春、新聞部の面々が、学校の七不思議を製作し管理しているという噂の存在・SAWの真相に迫ろうとする話。不思議現象の謎とかありますが、さほどミステリミステリした感じではないし、表紙や裏表紙から受ける印象通り怖くはないです。
様々な視点で七不思議が語られていくわけですが、メインは秋月と未春の人をくったような凝った会話の応酬で進んでいきます。トリビアネタも詰め込まれていますし、佐竹さんは会話に重点が置いて楽しく書かれたと思います。コメディ部分もありますが、文章の機械的な低体温は相変わらず。この独特な雰囲気で紡がれる青春ものは貴重ではないでしょうか。
この物語において七不思議は人工的に作られるものなわけですが、登場する七人がキャラ作りを意識しているところも味噌。七不思議そのものよりも、人の心の不思議を知りたい人向けなのかな。タイトル受けはしなくなるけど、「Wonders Wander」というサブタイのほうが内容を表してはいると思いますよ。
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