若い娘に接するにはカテキョが一番か?ラブxラブ


村山由佳おいしいコーヒーのいれ方 (10) 夢のあとさき (JUMP j BOOKS)集英社,2006


勝利と年上の彼女であるかれんの恋愛模様を描いたシリーズ十巻目。今までよりもかれんとの物理的距離が遠くなってしまい、陸上でもドツボにはまってしまうなど、ちょっとしょんぼりした始まりです。
なかなか二人が絡む描写もなく、勝利が一人で悶々としています。ぐちゃぐちゃしてるけど、勝利らしいですね。家庭教師をしている女子高生・若菜ちゃんやマスターとの会話で、自分を見つめなおしていこうとしますし。そんな中で、「寂しさに耐えるにはもう、相手への想いをそっと薄めていく以外になくなってしまうからなんだろうか。」みたいな一文がぽんと出てくるのがよい感じ。
最悪な状況下でライバルも出てくるわけですが、中盤の展開は勝利にいいところが見られない。「俺――最低だな」と勝利自身もつぶやきますが、まさにその通りだと思う。多分、勝利の言った意味とは違うと思うけど。他にも、ライバルとの対話でも切れ味がありませんでしたしね。まあその分、いままで積み重ねてきたものを見せつけられた気もします。進展しない進展しないと思っていたけど、作中でも三年半経っていたんですね〜。
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