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冴木忍『出会いは嵐の予感 (富士見ファンタジア文庫―「卵王子」カイルロッドの苦難)』富士見書房，1992

卵から生まれたといういわくつきの王子が、国のみんなのを助けるための旅を描いたシリーズ二巻目。今回の始まりは、街の酒場でごろつきに絡まれ因縁をつけらるところから。もちろん、ごろつきとの格闘だけで終わるはずもなく、古の魔物も巻き込んでの騒動にまで発展します。
趣味が盆栽とやたら庶民的で、しかも周りからこきつかわれる王子って一体……。代わりに、やたらと特殊な技能を持ってるし、洞察力はあるし、気配りはできるし、腕はたつし、でもどこか陰があるイルダーナフはかっこよすぎですな。この巻はイルダーナフの魅力を見せるためにあるようなもんでしょうか。
コミカルな印象が強かったけど、シリアス分もけっこう多めなことにようやく気がつきましたよ。一巻よりもさらに楽しく読めました。描かれていることは結構ヘビーです。最後の一文でぶち壊しですが。なにこの締めくくり方は〜。まあ、笑いもあるってことで。
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