古橋さんの小説でパンツやらブラ、果ては幼児プレイとは……SFxラブ


古橋秀之ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)メディアワークス,2005


ボーイミーツガールな短編が七つ収録されています。「ある日、爆弾がおちてきて」既読。二年間予備校に通っている長島の元へ、最新型の爆弾だと自称する初恋の少女に似たピカリちゃん(自称)がどかーんと空から落下してきます。 ときめきが溜まると爆発するらしいですよ。ああ、私んとこにも空から美少女が降ってこないだろうかね。微妙なところをついた展開が面白かった。「おおきくなあれ」空飛ぶ人間山脈と呼ばれる巨人・高峰と、彼女の近所に住む小暮の話。高峰が記憶が遡っていく”阿呆風邪”なる病気にかかってしまうところから物語は転がりはじめます。高峰をあやす小暮の描写がほほえましかったし、ラストには笑った。
恋する死者の夜」死んだ人たちが”リピーター”と呼ばれる存在となり、現世にとどまり続ける世界を舞台に、死んでしまった少女・ナギと毎夜遊園地に出かけるまもるの話。最初の二作と雰囲気違ってます。挿絵も不気味に変化。「トトカミじゃ」学校の図書館に住むトトカミさまと彼女の世話をすることになった図書委員・蒲田との交流を描く作品。ちっちゃくって尊大で、少女向け恋愛小説が大好きなトトカミのキャラクターを始め、ほのぼのした作風ですな。
出席番号0番」肉体を持っていないクラスメイト・日渡さんを巡る騒動。最初からニヤニヤしっぱなしですが、最後のページの展開なんてもう堪りません。「三時間目のまどか」教室の窓の向こうに見えたまどかと、彼女とコミュニケーションをとろうとする京一のお話。試行錯誤しながらのやりとりが面白いな〜。
むかし、爆弾がおちてきて」読み終わった当初はタイトルの意味が分かりませんでしたが、そのまんまでしたね。生きたまま六十億分の一の速さの世界に囚われてしまったミチと、彼女に魅せられてしまった少年の話です。あとがきでも書かれているように、「自然に”型”が出来てきた」後半の話のほうが好みでした。いやー、ブラックロッドシリーズとは雰囲気がまったく違って驚きましたよ。
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