シルヴァーナにも活躍してもらいたいところヒートxファンタジー


渡瀬草一郎空ノ鐘の響く惑星で〈4〉 (電撃文庫)メディアワークス,2004


国を追われた第四王子のフェリオが、何とかして国を守ろうと奮闘するシリーズ四巻目。王国を売り渡そうとする第二王子のレージクと直接対決するに当たって、今まで成り行きで行動することが多かったフェリオにも、王族としての決意が求められるようになります。それでますます才能が開花されていく感じではありますね。
前回、意外な展開から物語の核心に近づいた、村の狩人・エンジュもいい役どころとして出てきます。これからもエンジュは深い部分で絡んでくるのかも。他にも、存在感を持ちつつ今まで引っ込んでいた幾人が、久しぶりに登場します。さらに、シリーズ中でも初となる軍対軍の攻城戦は、嫌でも燃えてきますよね。直接的な戦闘描写はさほど多くありませんが、こういう戦略レベルで繰り広げられる戦いは大好きです。
内乱のほうに忙しくて未だにほとんど触れられていない、異能力を持つ来訪者側にも色々事情があるようですな。決して一枚岩ではないようです。最後にひと段落ついたと思った矢先、次巻への引きがいい感じにあって期待が高まります。ちなみに今回のベストセリフは、ウルクの「それでも……それでも、お傍にいたいと言ったら――ご迷惑でしょうか」です。フェリオも男を見せなきゃだめだぞ〜。
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