エナミカツミさんのイラストがやっぱりマッチしますねヒートxミステリ


成田良悟バッカーノ!1934獄中編―Alice In Jails (電撃文庫)メディアワークス,2006


不死人など多数の登場人物たちが交錯し物語を織り成すシリーズ八巻目。ファミリーの若手幹部・フィーロとヴィクターが接触するところから物語は始動します。ヴィクターは捜査官のくせに一癖も二癖もあるやつです。底が見えてるようで見えない。かなり食えないやつです。
また、登場人物たちは今回、アルカトラズという脱出不可能な刑務所に集まってきます。そしてこの刑務所には、これまでもさんざん名前は登場していたヒューイがいます。ヒューイはヴィクターよりもさらに食えない感じです。……いやまあ、どっちもフィーロとしては食える可能性があるにはあるんだけど。比喩でなく。
また、不死身じゃなくてもこの騒ぎに入り込んでくる人もいます。元やら現在のフェリックス・ウォーケンにどこまでも規格外な殺人凶のラッドなんかも。ドジっ子だけど狂気の研究者・ルネをはじめ、表には出てこないけど不気味な人たちはたくさんいます。彼らのバカ騒ぎを楽しむのもまた一興ですな。
刑務所を舞台に場面とNYにあるフィーロたちのファミリーの酒場「蜂の巣」を舞台にした場面が交互に出てきます。次の娑婆編ではジャグジーたちも深く絡んでくるのでしょうか? 引きも気になるし次巻が待ち遠しいですよ。付け加えておくと、シリーズにおいて初めていつものカップルの片割れであるミリアちゃんがかわいいと思いました。
ブクマ感想集同著者類似バッチ
③ 陽気なギャングが地球を回す Amazon② 玉響荘のユーウツ Amazon① デュラララ!! Amazon
この小説が好きな人にお勧めする③
①成田さんのシリーズ。『デュラララ!!』首なしライダーを巡り池袋で策謀が飛び交う話。→一巻感想
福田栄一さんの『玉響荘のユーウツ』借金返済のためにアパート住人の退去届けを手に入れようとする話。→感想
伊坂幸太郎さんの『陽気なギャングが地球を回す』銀行強盗をする四人組の話。→感想