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雨宮諒『シゴフミ―Stories of Last Letter (電撃文庫)』メディアワークス，2006

雨宮さんの新シリーズ。死んだ人の手紙を送り届ける少女・文伽と相棒のマヤマの物語。連作短編形式で次回作も決定済みのようです。三話収録されています。
「飛べない蝶」列車事故で死んでしまった葵から梨花へと手紙が渡される話。手紙だから思いを伝えるというものでもなく、手紙でもメールにしても、心がこもってなければ響かないですよね。手紙を書くとき何を書こうか考えるものですが、あっさり書いてちゃだめですな。「……私も連れてって！！」という言葉が肝。人が死ぬと何が悲しいって、先に何もないことが悲しいですよね。
「ひとひらの想い」恋人の典子からマジシャンの貴明へと手紙が渡される話。相棒でありマジックアイテムでもあるマヤマにもスポットが当たります。マヤマがぎゃふんって言葉を知っていて笑った＾＾この中で一番なじんでいた話だと思う。「父さんの眼差し」フェンシングのコーチでもあり父でもあるジルから、娘の亜里沙へと手紙が渡される話。マジシャンの後日談もあります。わりとオーソドックスな話。フェンシング部員の由紀子のミーハーなキャラが光っていたような気がします。
ブクマ感想集・同著者・類似バッチ

この小説が好きな人にお勧めする③
①雨宮さんの『夏月の海に囁く呪文』一つの呪文を巡るお話。→感想
②ハセガワケイスケさんのシリーズ。『しにがみのバラッド。 (電撃文庫)』優しい死神のお話。
③増子二郎さんのシリーズ。『ポストガール』バグを持った郵便配達ロボットのお話。→感想