主人公の名前は?コミカルxSF


小林めぐみ食卓にビールを (富士見ミステリー文庫)富士見書房,2004   類似検索


女子高生で小説家で物理同会幽霊部員であり、また残業尽くしのプログラマーを夫に持つ十六歳の新妻さんが主人公。この主人公が、わらしべ長者ごっこがしたいと言い出し実行したり、魚釣りに出かけたり、パチスロをやりに行ったりする話。この主人公がかなりかなりかな〜りおおらかな人物で、先々で宇宙人やら未知の生物やら賞金稼ぎやらの人外とも普通にコンタクトをとったりします。
主人公が物理オタクだからか物理関係の話も出てくるのですが、やはりどうしてもそのぶっ飛んだ設定に目がいってしまうよ。物理の教養があまりないので面白さに気づけていない部分もあると思いますが、オーブンから異性人が出てきたり、モデルハウスが宇宙に飛んでゼロヨンレースを始めたりと、どこをどう突っ込んだらいいかもう分かりません。主人公の語り口とあいまって軽快かつシュールなお話ですな〜。
そうそう、章題の「食卓にビールを」と「食卓にビールはありません☆」の二つのパターンがあって、最初は誌上連載と書き下ろしの違いなのかと思っていましたが、調べてみたら酒飲むかどうかの違いだったのですね。
酔った状態で書いたのかと想像してしまうような印象さえ受けるようなナンセンスさ。酔っ払いが考えたかのような展開の突飛さ。この物語は理不尽の塊と言ってもいいけど、なのに続きが読みたくなってるのは……きっと私自身も酔っちゃったんでしょうねw


③ ルート225 Amazon② ミッションスクール Amazon① 必殺お探し人 Amazon
この小説が好きな人にお勧めする③
①小林さんの『白蛇の迷宮―必殺お捜し人 (富士見ファンタジア文庫)』シリーズ。小林さんは初読みだと思っていたら、懐かしいタイトルを発見しました。
田中哲弥さんの『ミッションスクール』ビールからSFとラノベ成分を抜くとこんな感じか。→感想
藤野千夜さんの『ルート225』こちらは夫婦ではなく姉弟の話。→感想