■

成田良悟『デュラララ!!×3 (電撃文庫)』メディアワークス，2006　　　類似検索

池袋を舞台に首無しライダー・セルティが活躍するシリーズ第三弾。まあ首無しライダーよりもスポットが当たっているのは、少年二人と少女一人の高校生三人組なのですが。お互い知らず知らずのうちに、チームの頭としてぶつかりあう少年たちと事件のきっかけを作った少女の苦悩が描かれています。シリーズの中でも一番お気に入りの話です。てか、一巻の時点でこんな展開が予測できただろうか？
この巻では主役ではないとは言え、「化物風情が、交機を舐めるな」におびえたりする、ちょっと抜けた感じのセルティがかわいらしいですよね。セルティの相方である新羅の父親も初めて登場しますが、格好も言動も只者ではないです。まあ、このシリーズに登場する人物で只者を探すのも難しいですが。黒人のすし屋店員・サイモンもわりと重要な役割を果たしていますし、遊馬崎や狩沢の二次元コンビも相変わらずです＾＾
個性豊なキャラの中でも、またスポットが当たっている三人の中でも今回特にプッシュされていたのは、過去に囚われる少年・正臣でしょう。情報屋など周りに流されそうになったりしつつも、自分なりの結論を出すところはすがすがしいです。軽薄さだけじゃないよねやっぱり。最後の彼女との会話もきゅんときます。そんなわけで、高校生三人組を中心した話は一段落した模様。次回からはセルティや裏で糸を引いていた情報屋などがメインになってくるようです。首の行方にも動きがあるのかな。

この小説が好きな人にお勧めする③
①成田さんの『バッカーノ』シリーズ。不死のお酒とマフィアの話。
②伊坂幸太郎さんの『ラッシュライフ』無関係な人物達が複雑に絡み合っていく話。→感想
③福田栄一さんの『玉響荘のユーウツ』四日のうちに住人全ての退去届けを手に入れようとする話。→感想