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太田忠司『倫敦時計の謎 (ノン・ポシェット)』祥伝社,1998 類似検索
小説家の兄・志郎と漫画家の妹・千鶴が推理を展開する太田さんの国名シリーズ(霞田兄妹シリーズ?)二作目。題名にあるように今回は時計がポイントです。んでもって、殺される方々は悲惨な殺害方法が多いんですよ。グロイ描写があるわけではありませんけどね。
自分の生息域が舞台だと登場する建物のモデルを想像したりでてきて楽しいです。……なぜかそういうシリーズはこれも含め積読率が異常に高いのですが。事件のほうはWhoよりもWhyが重視されている感じ。兄弟以外の登場人物たちも、エキセントリックな画家や奇矯な感じの時計作家、町の権力者などバラエティに富んでいます。
そんな中でも一番魅力を感じるのは千鶴ですよね。主人公だから当たり前か。千鶴の心理描写が読みやすくて好感持てます。てか、普通に読んでるだけで面白いんです。刑事の三条さんとの仲も気になるところですし。本題からずれますが、千鶴の成長を追っていると、どんでん返しと意外なオチは一致しないなと再確認しました。
この小説が好きな人にお勧めする③
①太田さんの『レンテンローズ』不思議なキャラ設定ですがトリックは富士ミスじゃない。→感想
②片山憲太郎さんの『電波的な彼女』シリーズ。世界観がダークなのです。→感想
③上遠野浩平さんの『しずるさん』シリーズ。超常的な事件がメインです。→二巻感想