驚くことに元は児童書らしいですよヒートxヒート


あさのあつこバッテリー (角川文庫)角川書店,2003


天才的な能力をもったピッチャー・巧が中学への入学を控えた時期に、家族と地方都市へ引っ越すところから物語は始まります。巧はその能力ゆえか、いわゆる子供らしい子供ではなく、冷静であり、ある面では大人ぶった視線さえ持っています。そんな巧がキャッチャーである豪と出会うことで、今まで以上に野球にのめりこんでいく様子を一気に読んでしまいましたよ。
野球にのめりこむといっても、視野が狭くなるわけではなくむしろ広がっていきます。この点は体が病弱な弟・青波の存在が大きいように思いました。人間観察に対してにぶい兄の巧と違い、青波はわりとするどいです。こういう面では青波が先生役をやってますよ。
相方である豪もいいピッチャーの球を受けることの喜びを感じますし、巧の存在によって才能をさらに開花させ始めます。まあ、豪のほうは子供たちの中ではお兄さん的役割をしていて、精神的に見ると巧より上に思いますが。二人がする明け方のキャッチボールとか、青春してるなって思っちゃいました。そんな豪にも医者の息子ということで勉強の重荷があったり、巧も問題を作り出すのは得意だと思う(笑)ので、この後二人がどうなっていくのか気になります。


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