一気に読み干しましょうコミカルxミステリ


高田崇史麿の酩酊事件簿 花に舞 (講談社ノベルス)講談社,2003   類似検索


薀蓄を詰め込んだミステリであるQEDシリーズで有名な高田さんの作品です。オリジナルというわけではなく元に漫画があるようです。なので漫画的な面白さが活かされていますよ。(追記・漫画の原作は高田さんが別名義で書かれたもののようです。コメントより)
主人公の文麿はお金持ちなのですが、厳しい家の家訓によって身分を明かすことなく嫁をゲットしなければいけない立場にあります。メインキャラは文麿と、なにかとおせっかいを焼く祖母、そして執事の三人。文麿はのんびりとした感じの男で、「ピアノ教室の先生」「華族の娘」「バーテンダー」「ビリヤードのプロ」など毎回のように女性に惚れるのですがなかなかうまくいきません。致命的な弱点はお酒に弱いこと。軽く飲んだだけでもころっといっちゃいます。
しかし一定量を越えると、頭が冴えるのかはたまた人格がころっと変わってしまうのか、すばらしい推理力を発揮します。突然かっこよくなるんですよ。ただの酔っ払いだったのが、「ぼくと一緒に、今ここで。あなたの人生を変えてみませんか?」とか言い出し、さらにはそれがきまってるわけですから。
その後は、文麿(酔)が女性の抱えている過去・現在の謎を解きほぐし→女性が決断する→(その間の記憶を文麿は失っている)→後日、女性から手紙が届く→意味が分からない文麿と執事の会話という一連のコンボが発動します。とくに最後の文麿と執事のやりとりなどは薀蓄がらみで楽しいです。そういえば、高田さんってカクテルとかお好きでしたよね確か。推理の舞台がバーですし、うまい組み合わせなのかも知れません。


③ 掌の中の小鳥② Q.E.D① QED
この小説が好きな人にお勧めする③
①高田さんの『QED』シリーズ。膨大な量の知識を得ることができます。→感想
加藤元浩さんの『Q.E.D.証明終了(1) (講談社コミックス月刊マガジン)』大小さまざまな事件に挑む面白い推理漫画ですよー。
加納朋子さんの『掌の中の小鳥』これまたバーを舞台にした推理小説。→感想