今とは大違いですね〜シリアスxホラー


涼元悠一青猫の街』新潮社,1998


今とはネット環境がまったく違う1996年を舞台にした作品。第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。涼元さんはKeyのライターさんでもあります。この本には女の子出ませんが。ネットの表示のためか、横書きで書かれています。
友人のAが失踪してしまうところから物語は始まります。それを追ううちにネットのアンダーグランドへ、さらには青猫暗号なるものにたどり着きます。主人公がSEですし、メインは十年も前のパソコンに関わる環境の描写に当てられています。私には分かりませんでしたが、懐かしのパソコン話をしているようです。ヒットビットやらゼッパチやらハチハチ、キューハチ……ハルまで^^この辺りが分かる人にはくすぐったくて面白いかも。
ネットではなくパソコン通信もでてくるし、YAHOO!で「尋ね人」を検索すると結果がでるのに五秒かかり、さらに12件しかヒットしないとか……では考えられませんね。
途中でネットを駆使して青猫の謎に迫ろうとしたり、暗号解読に挑むところはけっこう偽ハッカー気分を味わえたような。締めはきっちりしておらず、ファンタジー大賞っぽい感じです。
今から98買う奴なんて、エロゲーやりたい奴だけっスよ」とか見て、なんとなくニヤニヤしてしまうのは私だけでしょうか?


③ 電車男② 鉄塔 武蔵野線① planetarian ~ちいさなほしのゆめ~
この小説が好きな人にお勧めする③
①key『planetarian ~ちいさなほしのゆめ~ 初回版』涼元さんがシナリオをやられているゲーム。
②銀林みのるさんの『鉄塔 武蔵野線』ファンタジーノベルの第6回の大賞作品。→感想
中野独人さんの『電車男』十年経つとこれも懐かしくなるのかな?