新井輝ROOM NO.1301 しょーとすとーりーず・わん (富士見ミステリー文庫)富士見書房,2005


一部で大人気のエロシリーズの短編集の一つ目。シリーズの五巻まで読んだことを前提に書かれています。
最初は綾が記憶喪失と言うか別人になってしまう「僕と綾さんと素敵な思い出」の前後編。
シリーズものではよく性格変化とかでてきますが、ここでのポイントは常識を持ち合わせていなかった綾が普通の人物になることで、彼女の視線を通して今まで隠れていた人間関係が見えてくるところでしょうか。考えてみれば、変な世界を変だと指摘する人物が今までいなかったんですね。
ちなみに、メイド服姿もここで拝むことができます。それでも最後には素敵風味な終わり方をさせるのだからええなー。
続いて主人公の姉の蛍視点で進む「私と宇美と豪華なお風呂」蛍もけっこう難儀な性格をしていますが、宇美ちゃんはそれに輪をかけて濃いキャラです。ストレートに変人です。蛍ちゃんも幸せになれればいいんだけれどねー。
ついにあとがきや序章以外に進出した鈴璃が登場する「私と刻也君と素敵なタイミング」宇美ちゃんを濃いキャラだと書きましたが、鈴璃のほうがよっぽど濃いキャラでした。もう一ページ目から分かります(笑)締めの刻也と鈴璃の話合いは興味深かった。私の場合は刻也君の立場になるわけですが、実際これやられると困っちゃうんですよね。共感持っちゃいます。あと、最後のイラストは妙にエロかった。さすがルームナンバーですw