氷室冴子海がきこえる (徳間文庫)徳間書店,1999


コバルトで活躍されているかたなのかな? 氷室さんの本は始めて読んでみたのだけれど、この物語はすごくいい。雑誌「アニメージュ」に連載されていたものですが、開始は1990年1月でもう15年以上前の作品です。時代のギャップはあるし土佐弁がでてくるしでちょっと戸惑いましたが、20ページくらい手を進めたところでこれまで読まなかったことをちょっと後悔しました。
私は見ていませんでしたが、ジブリ作品としてアニメ化されているしタイトルは知っていたんですけどね。実写もあったらしいです。
基本的には、大学生として上京した拓が、土佐で過ごした高校時代を思い返しながら大学生活を送る話です。登場人物たちそれぞれの距離感が魅力的です。
高校時代の親友として松野という同級生がでてくるのですが、気が通じ合うきっかけには共感しました。ちょっとした出来事がきっかけで成長するというのがよく分かります。
イラストも淡い感じで私の好み。イラストもついているしライトノベルみたいな感じがなくはないですが、ラノベにはない終わり方も味わい深くてよかったです。
青春をテーマにした作品が好きなかたには合うと思うので、図書館で探してでも読んでみてくださいな。
そう言えば、以前読んだ池上永一さんの『シャングリ・ラ』(→感想)も雑誌「ニュータイプ」掲載時にはイラストが着いていたようですね。吉田健一さんのホームページにあったそのイラスト。なんか無茶苦茶かっこいいんですけど^^ラノベっぽくなるのを避けたんでしょうか? てか、吉田さんはジブリに昔いて、映画「海がきこえる」の原画もやっていたようですねー。


この小説が好きな人にお勧めする③
③ さよなら妖精② 夏月の海に囁く呪文① ぼくは勉強ができない
山田詠美さんの『ぼくは勉強ができない (新潮文庫)センター試験でも取り上げられた青春小説。
雨宮諒さんの『夏月の海に囁く呪文』最初の二編がとくにお勧めです。→感想
米澤穂信さんの『さよなら妖精』三者三様の過去との付き合い方がありますよね。→感想