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北山猛邦『『クロック城』殺人事件 (講談社ノベルス)』講談社,2002
知らずに読んでいましたが、どうやらこれが北山さんのデビュー作であり、メフィスト賞受賞作なんだそうな。納得。
のっけから「ゲシュタルトの欠片」「スキップマン」「SEEM」などの単語が飛び出し、警察も機能していない退廃した世界感はよく伝わってきます。これらの単語とか背景などが詳しく説明されず、どんどんと不気味なものは増えていくので気味の悪さは上々です。
不気味な館で首切り死体が発見されるのですが……密室トリックはまあ妥当、つか気づきますね。怪しすぎるので。犯人誰なのかとか良くわかんないまでも。ただ、首を切られた理由は面白かった。西尾維新さんのトリックが好きな方にはよく合うかと。ほんと、人間をたんぱく質の塊と見ているのですよ。
この小説が好きな人にお勧めする③
①北山さんの『『アリス・ミラー城』殺人事件』物理トリックの名手のこだわりが見えます。→感想
②西尾維新さんの『戯言シリーズ』シリーズ終盤はミステリではありませんが。→感想
③乙一さんの『GOTH―リストカット事件』いやらしい話ばかりなのに読むのが止まりませんでした。→感想