山口奈津江『火葬場より。―女子大生のしみじみノート文芸社,2005


てなわけで、火葬場でアルバイトをしている女子大生のブログを本にしたもの。
ところどころぼやけていたりする部分がありますが、まあその分日記っぽいかなと。小説のように全体を通してではなく、ふとした一文が印象に残っています(もちろん、この本もテーマはあるのでしょうが)
「人が亡くなったら悲しみだけが残るのかな?」
「花のように美しい人になりたいナって思います。でも、どんなに美しくても「香り」がしない花にはなりたくないな」

書かれていることは当たり前のことなんだけれども、当たり前に慣れちゃうと忘れてしまうものです。そんなことに気づかされます。
「「生きている」ことが当たり前になると、「一生懸命」になれないですよね。」
単なる火葬場での仕事の記録ではなく、火葬場で働くことで山口さんは家族や友人との関係を見直したりしています。仕事が自分を振り返るきっかけになるのは理想的だと思うのですよ。
このブログは終了しており、二つ目のブログを運営されているようです。そこも本になるんだとか。