川崎康宏Alice (電撃文庫)メディアワークス,2004 Amazon


なんつうか、クマの存在感がありすぎます。クマ書くためにこの小説はあるのかと私は疑ってますよ。クマがすごいと聞いてはいましたが、すごいどころではないような。
圧倒的な強さを持つ主人公のアリスや現実とゲームを混同しているような男、己の肉体のみでロケット飛行が出来るアメリカ兵だとか奇天烈なキャラばかりですが、クマにすべてを奪われます。
おかしな和の心を持つ、人権を認められたグリズリー(クマ)にこんなにも味があるなんて誰が想像したでしょうか? ぜひ未読のかたにも、このクマさんを味わってもらいたいです。もっとも、下手すると猫などだけでなく飼い主(人間)さえも食べちゃいそうなので、油断なさらぬよう。