■

大山誠一朗『アルファベット・パズラーズ (ミステリ・フロンティア)』東京創元社，2004　Amazon

翻訳などを手がけていた人らしく、本格的なデビューはこの本だそうです。
「Ｐの妄想」「Ｆの告発」「Ｙの誘拐」の三篇が含まれています。Ｐの妄想は、毒殺を疑っていた老婆が毒殺されたのはなぜか？　Ｆの告発は、指紋照合などで警備が厳重な部屋にどう入り込んだのか？　Ｙの誘拐は、過去の誘拐殺人の謎とは？　こんな構成です。
読み始めたときは、現場へ赴かない安楽椅子探偵ものかと思いましたが違いました（汗）探偵としてのキャラクター性よりも謎が書きたかったんでしょうね。
一番の見せ所は、内容でもページ数的にも、最後の「Ｙの誘拐」でしょう。この話は前の二編と違い子供を殺された被害者の父親の手記で始まるので、いたいたしいです。そして、最後は思いもよらぬ展開に……。これはまったく想像していませんでした。考えてもいなかったので、素直に驚きましたよ(ノ-o-)ノ