片山憲太郎電波的な彼女 ~幸福ゲーム~ (スーパーダッシュ文庫)集英社,2005


シリーズ三作目。一作目の連続殺人、二作目のえぐり魔ときて今回は集団嫌がらせ。残虐性は薄れたのかなと思いましたが、そんなことはありませんでした。むしろ身近に感じられるだけ、悪化してます。
最初に痴漢騒ぎがあるのですが、もちろん主人公は無実。なのに、犯人と決め付けられたり机に頭を叩きつけられたりと周囲の反応が異常で、それが許されているかなり嫌な世界観です。視点となる主人公がわりとまともであるために、戯言シリーズよりも気持ち悪いものが全体を覆っています。
犯人はだれなのか?も気になりますが、それ以上に動機が謎です。真相が明らかになったとき、それを受け入れられません。受け入れたくありません。さすがは電波的です(違)
それにしても、やっぱり最後のまとめ方が秀逸です。後を引いてるわけではないので、次巻が読みたいと言う気持ちになるのではなく、もうちょっと主人公達を見守りたいなという気持ちになります。