◆ 電撃のイージスファイブ

昨日はドームでバイトでした。とくに考えることもないからそういう面では楽とはいえ、ずっと突っ立てるのはやはりつらいです。実質作業時間は少なくても、拘束時間から考えるとものすごくおいしいバイトと言うわけではなかったです。ちょっとおいしいバイトといったところか。
で、私の場合は現金支給だったのですが、印鑑を忘れたために今日会社のほうにとりにいきました。駅から近かったので所在は分かりやすかったのですが、その駅が定期から一駅分外れているため、その分を徒歩で。そんなに歩いたわけではありませんが。
係りの人にしどろもどろの説明をすると、何とかバイト料もらえました。財布が潤いました。
さてさて、バイトの内容のほうはチケット確認だったのですが、トイレなどて席を立ったお客さんもいちいち確認しないといけないのです。面倒ですが仕事ですしそれ自体はいいのですが、お客さんによっては強引に通ったり、「チケットなんて持ってない」とか言って入っていく人も。ちょっとだけ見ていく人ならいいのですが、終盤になるとずっと居座る人もいてなんだかなぁ、と思いました。
小さなことにもしっかりしないと、大変なことになってから慌てたのでは間に合いませんからね。
亡国のイージス


福井晴敏亡国のイージス講談社,1999 (画像はアマゾンへ)


とりあえずその厚さに感服します。読み終わるまでに5時間は優にかかりましたよ。もしかしたら10時間のほうが近いかも? 内容の重さを体で表しています。
ここで感想を書くためにも、印象深かったところにしおりを挟んでおくんですが、この本は面白くて入れるのを忘れてました。まあ、多分入れておいたとしても長すぎるため、読み終わったころにはそのページのどこに心惹かれたのか忘れていたでしょうが(笑)必然的にクライマックスの感想が多くなってしまうかも。
物語の起点は、自衛隊の潜水艦がジャックされ日本の脅威となってしまうところ。序盤は潜入者が誰が分からない状況にある先任伍長・仙石の戸惑いなどから発生するスリリングな展開が面白い。ここまででも十分ボリュームありますが(250ページ程度)その後のジャックされた潜水艦の攻略がメインかと。現場だけに及ばずさ、まざまなところで繰り広げられる熱い戦いは見ものです。この辺り多少専門的な単語が増えてきますが、最初から結構出ているので問題ないかな。
海の底
海に生きる自衛官の苦しみを書いているところなど、最近読んだ本だと有川浩さんの『海の底』テイストですが、僅かにあった萌え成分が抜けきりかっこ悪い大人も生々しく書いているので、ベクトルは一緒でもまったく違うものになってます。考えてみれば、『海の底』は潜水艦に乗り込んでもまったく船を動かしませんし(^^)何より侵入者(巨大化したザリガニみたいなの)の撃退自体には躊躇しませんしね、人間じゃありませんから。
日本人の平和ボケした感覚やら法律やらがあいまって、反乱が起きたことを認識した後も、現場レベルでは対応できずにいたずらに犠牲者を増やすだけとなってしまう部分は痛いです。犠牲になる人たちだけではなく、反乱を起こした側の心理も描写されているのでどっちに感情移入したらよいのか戸惑ってしまいます。中盤はどうしてもやりきれなさが残ってしまいます。
未完成
敵側味方側どちらも正しいと信じて動いているのに食い違ってしまう悲劇は、同じく自衛隊陸自ですが)を舞台にした古処誠二さんのミステリ作品『未完成 (講談社ノベルス)』でも読みましたが、それには描かれていない幹部の葛藤も『亡国のイージス』には含まれています。
私のような凡人が遊んでいる最中にも勉強しているエリートが、将来もおいしい思いができないのはおかしいと言えばおかしいですからね。つらい思いして勉強してるんだから、いずれは楽したいと考えるのも当然な気もします。そんな将来を目指して必死で勉強する人たちを、今楽している私のような人間が何か言うのは筋違いな感じもするのですよね。まだ、よく分かりません。実際はどうなんでしょう?
そんなことを考えながらクライマックス(早)艦長が、背中に乗せている子供の影に気づくところなどぐっときます。終わり方がいい終わり方なので、なおのこと途中で起きた惨劇が重くのしかかります。勧善懲悪の世界ならこんな悩みはないでしょうに。