塔の町、あたしたちの街

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コミカル5癒し3萌え2
扇智史塔の町、あたしたちの街 (ファミ通文庫 お 4-4-1)エンターブレイン,2007
扇智史さんの作品感想


朝も仲良く一緒に登校するなごみと華多那を巡る物語。ちょっと不思議な町が舞台なのですが、2人の仲良しっぷりが突出しています。
孤高の人の雰囲気さえ漂わせている華多那の、なごみに対するぞっこんぷりが驚きです。二言目には愛してるですからね。なにこの盲目さは。
なごみと引っ込み思案な眼鏡っ娘・智都との交流も微笑ましいですし、面白いことにしか興味がなく、才色兼備の生徒会長兼理事長である皆理も素敵な魅力を備えています。女子メンバーのパワフルさが印象的ですよ。


流浪の画家で既に亡くなっているなごみの父親の、未発表作品が見つかったという話を聞くところから物語は動き出します。
常に味方であったはずの華多那が自分に隠し事をしていることに、腹を立てていく過程も楽しいな。乙女ライフここに極まれりという感じ。
ぴゅあっぴゅあで優しくふわふわな雰囲気の2人を見ていると、男いらないなと思ってしまいます。激しい喧嘩を見てると、どう見てもカップルにしか見えない瞬間もあるわけで。痴話喧嘩も女の子同士だといいものですね。
それにしても華多那が、語らなくても通じ合えると思っている辺りは、典型的な男のダメパターンだと思うんですが、どうでしょう。口で勝てないと判断すると口を閉ざしてしまうのも、そんな気配がぷんぷんしています。


町を覆っている不思議な力を巡る話は不穏な空気もあるけれど、穏やかな生活が続いて欲しいです。また、皆理のさらなる活躍に期待します。皆理が活躍すると、平穏が壊れそうなのが矛盾ですけれどもー。


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