デセプション・ポイント〈上〉

デセプション・ポイント〈上〉  Amazon
燃える7ミステリ3
ダン・ブラウンデセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫)角川書店,2006
ダン・ブラウンさんの作品感想


父親が大統領の対抗馬であり、自身は国家偵察局に所属しているレイチェルが大きな陰謀に巻き込まれていく話。初っ端から普通じゃない組織の暗躍が合間に挟まれているので、嫌な感じはぬぐえません。
レイチェルはその決断力で深みに嵌っていくので、おどろおどろしい緊張の糸が張り巡らされている中、どこで危険なものに触れてしまうかドキドキしました。一瞬触発な状態がずっと続いていましたからね。
一体誰が裏を引いているのか、あるいはみんながみんな裏を持っているような状況なので、最後に笑うのが誰なのかが気になります。


NASAが登場するなど、科学分野が前面に出てきます。天使と悪魔の上巻みたいな雰囲気ですね。見知らぬ場所につれてこられる専門外の人間という構図も同じですし。
アメリカンらしいウィットに富んだ会話が出てきます。大統領を始め、自信持っていて陽気そうな人物が多いので、やたらと出てきますよ。


専門家による解説で外堀を固めていきますし、微妙に現実のネタ描写を織り交ぜて、どこまで本当なのか煙に巻かれるのも楽しいです。また最初に提示しておいて、隠しに隠した真実もはったりの効いた衝撃がありますし。
とはいえ、まだまだページは残されているし、下巻もあるというのだから、ひっくり返しがあるだろうと先読みしてしまうのは悪い癖。
大統領や上級顧問はまだ底を見せていない感じなので気になるところ。ラングドンシリーズとは違い、古きよき陰謀ものといったテイストでした。


この小説が好きな人にお勧めする3
1 天使と悪魔 上  Amazon2 ストリートキッズ  Amazon3 ゴールデンスランバー  Amazon
1、ダン・ブラウンさんの小説「天使と悪魔 シリーズ」宗教対科学が前面に出ていて面白かったです。→シリーズ感想
2、ドンウィンズロウさんの小説「ストリート・キッズ シリーズ」探偵のニールが陰謀に巻き込まれてゆく話。→シリーズ感想
3、伊坂幸太郎さんの小説『ゴールデンスランバー』作風が似てるわけではないけれどもおすすめしたい。→感想