桐原家の人々〈3〉恋愛統計総論

桐原家の人々〈3〉恋愛統計総論  Amazon
ギャグ4燃える3癒し3
茅田砂胡桐原家の人々〈3〉恋愛統計総論 (C・NOVELSファンタジア)中央公論新社,2000
シリーズ感想
茅田砂胡さんの作品感想
複雑な分だけ家族のパワフルさにも磨きがかかってきたシリーズ3巻目。
麻亜子と崇史のバーの描写で、まったく動じてない麻亜子さんがすごいな。崇史のほうがおかしいという空気さえ流れています。常識という言葉は、場所や時代によって全然変わるんだなと実感しました。


さてさて、眞己が告白されて戸惑う場面から始まります。私も予兆を全然感じていなかったので、眞己同様あっけに取られましたよ。生真面目な眞己がどう対処するのかと思いきや、思わぬ方向に走り始めて面白かったー。
どうなるどうなると読み進めると、海外出張話が全てを掻っ攫っていき、謎のロールスロイス登場で急展開です。


一人で乗り込む場面とか、普通だったら不安になるところかも知れないけれど、家族がバックアップについてれば問題はないと確信していました。
むしろ、どんなことをやらかしてくれるのか、まだかまだかと期待してましたよ。また、暗い気持ちを引きずらないように、好きにさせてあげられる空気を作る、桐原流の励まし方が素敵。
結婚式も派手に型破りでもう笑うしかない。私だったら、完璧に精神がまいっちゃうような展開。育った家庭環境って重要ですね。まあ、このときは広海さんに同情しました。親は子に超えられるために存在しているのでしょう。


びっくりする出来事の連続ですが、わくわくしつつしかし落ち着いて楽しめます。桐原家の面々が生み出す騒動と安心感がこのシリーズの魅力だと思う。近くて不思議な家族という存在は、実に味わい深いものですね。