ラブコメ今昔
有川浩『ラブコメ今昔』角川グループパブリッシング,2008
有川浩さんの作品感想
自衛隊のラブコメ集の第2弾。「ラブコメ今昔」空挺部隊の陸佐・今村が、新任の広報幹部・千尋に結婚談を語って欲しいとせがまれる話。
相当なおっさんだし立派な地位にもいると思うんだけど、逆にそれが面白さになっちゃってます。隊内結婚率の高さと離婚率の高さに触れつつもタイトルに偽りなしの真っ当ラブコメ。最後の締めもにやりです。
「軍事とオタクと彼」海外派遣で離れている彼からのメールには、打ち切られた漫画への心配がされていて……「名刺、頂いたお礼したいんですけど」など、反応が初心でかわいい年下の彼氏を巡る歌穂の話。
タイトルから想像してたけど、高級なプレゼントには悶絶。斜め上だわー。
パンチラ美少女が表紙の雑誌を見て「あたしもパンツ見せるべき?」なんて言い出す歌穂もいいキャラですが、それをうまく取り成してくれる、はぐらかしな弟くんも素敵ポジションだな。なんかいい友達になれそう。
「秘め事」上司に娘の友達を紹介されることから始まる話。このドキドキはこれまでのベタ甘ではあんまり味わえない感じだったので、とっても新鮮。秘め事のスリルは不安もあるけどいいスパイスです。
物語が反転してからは唖然の一言。その後はへたれ過ぎだと思うけど、私には責められません。客観的に見ると、すごいひどいこと言ってるの分かるのに、グルグルしちゃうとつい出ちゃうんだよね。なんでだろう。
「ダンディ・ライオン」最初の話に登場した千尋の話。吉敷はストーカー予備軍だと思うのです。自衛隊不祥事に発展しないように気をつけてー。