SICKs(2) ―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車―

GOSICKs(2) ―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車―
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ミステリ4コミカ4萌え2
桜庭一樹GOSICKs(2) ―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車― (富士見ミステリー文庫)富士見書房,2006
シリーズ感想
桜庭一樹さんの作品感想
ヴィクトリカと一緒に、学園で夏休みを過ごす久城の話。太郎冠者に突っ込みを入れたり、下駄に疑問を持つヴィクトリカが新鮮でした。
夏休み最初の話は、アブリルが別荘で遭遇した幽霊事件の謎です。謎解きもエッセンスの一つですが、どちらかいうとのんべんだらりとしているヴィクトリカと久城のコンビを眺めているのが楽しい。
久城が支える傘で涼んだり、熱さでだれたり、犬と戯れたり。左右にころころしつつ、たまに「……………………う?」と呟くだけでも絵になります。ちなみにイラストでは、鮮やかなデザートに囲まれたヴィクトリカがツボ。


貴族の生徒とメイドの友情を絡ませた表題作「夏から遠ざかる列車」が一番好きです。タイトルが綺麗で想像力をかきたてられるものなので、それだけでお気に入りになってしまいますよ。
久城の姉である瑠璃が巻き込まれた事件も登場し、瑠璃の淡い乙女心が描写されてきゅんとなりました。また、ドリル頭のグレヴィールの初恋話を読んで、ヴィクトリカに翻弄されてるグレヴィールにニヤニヤしました。


それらの話でも主役はヴィクちゃんです。ケーキが食べられるのを指を咥えてみているしかない場面は、かわいそうなんだけかわい〜。甘いものに執着している辺りに、年相応の幼さが感じられて保護欲がそそられますね。
めくれてるよ。ドロワーズが見えてるよ! それって君、下着だろ!」楽しそうに振り回されながら、せっせとヴィクトリカに貢物をする久城が、大変そうだけれどもうらやましいのです。楽しい夏休みはあっという間だな。