サークル・マジック―ダジャと炎の絆

サークル・マジック―ダジャと炎の絆  Amazon
癒し5ファンタジー3燃える2
タモラ・ピアス『サークル・マジック―ダジャと炎の絆 (ルルル文庫)小学館,2008
シリーズ感想
タモラ・ピアスさんの作品感想
4人の少年少女たちとその先生たちとの交流を描くシリーズ3巻目。今回スポットが当たっているのはダジャですね。交易の民を追放された身のダジャが、ふとした拍子から交易の民と出会う話が展開されていきます。
最初は近づきさえしなかった雑用係のポリアムが、徐々にダジャを知るにつれ態度を変化させていく場面が、またダジャにとっても改めて交易の民との距離感を計りなおす部分が見所でもあり心が温まります。
自分の行動範囲を飛び越え、世界が広がる瞬間って大切なことですよね。特に子供にとったらかけがえのない体験だと思います。


と言っても、金属を扱い火と日常的に接しているダジャの話が、心地よい温度で終わるはずがありません。大きな火事に遭遇することになります。
前巻でも4人の結びつきが強くなり魔法のパワーも強くなりましたが、今回はさらに強固なものになっていました。どこまでこの4人は成長するのか楽しみだ……と、好き勝手応援していた私は、「魔法はおもちゃじゃない」とニコに怒られる場面で一緒に落ち込んでました。いくら楽しいことでも調子にのっちゃだめですね。


比較的優等生のサンドリも仲間のことになると、黒い部分を演じられる子だから侮れません。4人の中では唯一表立って感情を表現するトリスを見ていると、見守りたい気持ちで満たされていきます。
必死でローズソンに追いつこうとしているブライアーはしっかりと男の子していて、女の子に囲まれている中で光っていますよ。そして、次は最終巻でかつ待望のブライアーの話になるようで。ほんと、新たな発見があるわけじゃないけど、読んでてすごく落ち着くシリーズです。