秘曲 笑傲江湖 3

秘曲 笑傲江湖 3  Amazon
燃える4コミカル4萌え2
金庸秘曲 笑傲江湖〈3〉魔教の美姫 (徳間文庫)徳間書店,2007
シリーズ感想
金庸さんの作品感想
令狐中はいったいどこへ行こうとしているのか、凄腕のキャラクターが多数登場するシリーズ3巻目。前回の続きで、仲の良い二人を眺めているのが辛いという令狐中の気持ちが、痛々しくも伝わってきます。自暴自棄になるのを見ているのは、かなり辛抱のいる作業ですよ。
それだけでなく、約束だからと自分の体験を伝えず立場が追い込まれていきますし。もうすっかり話してしまえばいいじゃんと思ってしまうのですが。


そんな中、琴を習うことになるのですが、師匠である老婆との交流は心が温まります。それまでの状況がひどく大変でしたから。
身内には冷たくされる令狐中ですが、逆に温かく迎えられることもあります。でも豪華な面々に出迎えられたり、理由が分からないから戸惑うことも多く……。こういう場面では令狐中の大雑把な性格が頼もしいのですね。流されるまま、体内がすごいことになっていく理由ともなりますが。
桃谷六仙は相変わらずの傍若無人っぷりを発揮しています。六人もいると、全員を止めることは誰できないな〜。「五体接合の術」のオチはよかったです。また、令狐中が少女に霊薬を飲ませる場面で、周囲の人たちが大きな勘違いをしているところは笑いました。


少林派の高僧・方生はいい男だな〜と思いつつも、後半はものすごいツンデレ具合を鮮やかに見せてくれる、盈盈が全てをさらっていきました。いやはやまさか、電車で読むのがまずいほどニヤニヤしてしまうとは。
口元を隠して読まないとダメな状況。かなり危険でしたよ。ツンデレを特別愛しているわけでもない私でも、思わず転んでしまいそうになるほど見事なものでした。
それにしても、救いの手も撥ね退けてしまった令狐中は、いったいどうなるんだろう。予想つきません。そもそも、話がここまで大きくなるとは思っていませんでしたし。世界が大きくなるにつれて、すごいスピードでキャラクターも消費されていきます。
もう結構な人数になったのではないでしょうか。多すぎで正確に把握できないと気を払っていなかったから、人物紹介でネタバレしてるのにも気づきませんでしたよ。ああ、次ではどんな展開が待ってるんだろ〜。