別冊 図書館戦争 1

別冊 図書館戦争 1  Amazon
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有川浩別冊 図書館戦争〈1〉アスキーメディアワークス,2008
シリーズ感想
有川浩さんの作品感想
図書館隊が活躍する図書館シリーズの別冊。郁と堂上のコンビ、というかカップルの行方が5つの話を通して描かれています。完結編でも甘い雰囲気が辺りに立ち込めていましたが、本書はそれを越えています。本自体も真っ赤です。これからベタベタな本はりんご本とでも名づけたいところ。


これまで郁と堂上がラブラブな発言をすると口を滑らせた感じがありましたが、もう滑らない日はないと思えてきますよ。どんどん行動も積極的になっていきますからね。
落ち着けーと言いたくなりますが、言う暇もなく彼女たちは進んでいきます。とは言っても、本で読んでるからそう感じるのであって、時間間隔的には実際に隣にいたらもどかしくて仕方ないかも。
まあ、やきもきしていたからこその、隊員たちのはしゃぎっぷりなのでしょう。堂上の退院をすてきな横断幕で出迎えたりと、様々な形で暴れてくれます。堂上の家族もなかなか強烈だな。もっと出番が多くてもよかったのにー。丁々発止の郁と柴崎のやりとりも相変わらず面白かったです。
手塚の「女のことで無粋とか言われたこと今まで一度もなかった……」発言を巡る会話など、手塚と柴崎のやりとりもちょっぴり気になるところ。どうも次では彼女たちに焦点が当たるようで。


図書館での危険や盗難など、現実の図書館でもぶつかる問題も出てきますが、やはり別冊なのでエッセンス程度。木島ジンの差別用語の話は心惹かれるものがありました。私が若者だという証拠でしょうな。
あと、レファレンス・サービスの話題が出ていたのですが、実際にこの単語を目にしたり聞いたりしてたと思うけど内容を知りませんでした。毎週のように図書館行ってるのにね。……調べてみると、取り寄せとかはパソコンでやっているものの、意外に利用してたかー。


さてさてメインの郁と堂上ですが、付き合えば付き合う分だけ、ずれた感覚の部分が嫌でも目に付き始めるわけで。それが原因でぎくしゃくしちゃうし、中盤以降はけんかが絶えませんでしたね〜。
仲良しになったときは、反動でおいしいのですが。堂上にやり逃げしちゃったり、敵前逃亡する郁がかわいかったし笑えましたよ。
それにしても、4話目の「こらえる声」にはやられた。話の流れ的に赤面しちゃうような話だと思っていたのに、思わぬ方向転換がありました。この章タイトルはお見事。罠にはまったのは私だけでしょうか。