アストロノト！

赤松中学『アストロノト! (MF文庫J)』メディアファクトリー,2007
赤松中学さんの作品感想

幼なじみで魔法の天才少女・レビアンと楽しくおかしく生活していた少年・ノトが、突発的に月へ行かなければいけないと思い立ち、宙士となり月を目指すお話。第3回MF文庫Jライトノベル新人賞・優秀賞受賞作品。
金髪ツインで吊り目ということでツンデレなレビアンはもちろん、田舎からやってきたケモノ耳っ娘のナキアミもかわいいですなー。幼い外見なのにときどきしたたかなギャップが素敵。
「そ、そんな。ナキ……だめです。男性と同じ部屋だなんて、心の準備が……ふ、ふつつか者ですが、何とぞよろしくお願いしますっ……！」とか「ノト、ナキも愛してるよぅ」の空気読めなさがぐっどきました。

正直、序盤はノトが月を目指す理由も明らかにされないし、ノトに対する不満だけが溜まっている状態でした。月へ行こうとする原動力も分からないから、次から次へと出てくる障害をどう解決するのかとかもあまり心も躍りませんでしたよ。
ナキアミとレビアンのキャラクターだけで読み薦めていたのですが……。あとユァンかな。ユァンが登場する下りはびっくりしたし、ユァン自体は好きになれたのですが、話の筋の歪みが気になって気になって。

と思いつつ終盤まで読み進めましたが、テレポートにお兄さんに魔術師に噛み付きに「今日だけだからね！？」に……終盤の伏線回収にびびりました。ここまで湯水の如くサプライズを使われてしまうともうお手上げ。すごい。

この小説が好きな人にお勧めする３

１、大西科学さんの小説『ジョン平とぼくと』魔法を科学する話。→感想
２、三浦勇雄さんの小説「上等。　シリーズ」走り出したら止まらない話。→シリーズ感想
３、鎌池和馬さんの小説「とある魔術の禁書目録　シリーズ」科学と魔術が混在する話。→シリーズ感想