MW号の悲劇

『MW号の悲劇―電撃コラボレーション (電撃文庫)』アスキー・メディアワークス,2008

豪華客船ＭＷ号を舞台にしたアンソロ。作品中に「タコ」「電撃」「３０」を入れるというもの。電撃Short3とか参加してた身としては懐かしい感じ。hp分は既読。
「DIVE TO BLUE」かわいいあの子と旅行なのに、船が騒動に巻き込まれさらにもれそうになるのを我慢する男の子の話。オチまで全て下らなすぎて笑えました。下品なのはいけないと思います。
「内藤君と水野君の場合」二人のくだらない口合戦が読めます。くだらないといえば、事件の前後の流れを掲示板で読んでいく「MW号専用掲示板「ウィー・アー・オン・ボード！」」もアホで笑えるんだけど、真相を知ってるとちょいとシュールな感じを抱かないでもない。
「MW号の命題」なぜ沈没したのか様々な角度の考察する話。短編の中でさらにショートショートを読んでいるような雰囲気でした。
「残酷劇の夜」人形のような少女の家庭教師をやることになった大学生の話。先入観もあるかもしれませんが、手堅いなーという印象。アンソロとかだと変な方向に走る人もいるので、こういう話があると安心できますよ。

「万年すだれ禿係長小保多喜八郎の冒険」世間に絶望していたおっさんが船上で少女と出会う話。分かっていてもかっこいいです。中年万歳。
「蟻塚と500人の海賊」殺人鬼と海賊の話もぐいぐい引き込まれます。海賊のキャプテンには惚れそうになりますよ。他作品のキャラなど描きつつも、燃える作品となってます。料理の仕方がうまいなーと。
「Les Aventures　〜冒険者たち〜」事件から三ヵ月後、MW号を沈めたマーダーオクトを倒すために集まった三人組の話。三人のキャラが全員好きだし、話自体も面白かったです。一番お気に入り。

「HERO」引きこもりな人型兵器・テツオと妹の話。最初のテツオの言い訳の羅列がらしくて笑えました。中盤いい話に行きかけたかと思いきや、劇場版エンドに流れていくわけで。ひどっ。
「Sisterhood」凶悪なお姉ちゃんから受けた命令を必死で遂行しようとする妹の話。魅力は色々あるのかもしれませんが、とりあえず三日干しの刑が無茶苦茶気になって仕方なかったです。うひゃー。
「応答せよ！　びんかんサラリーマン！」キャラ設定勝ち。勢いで読んでしまいましたよ。とりしもさんのカラーイラストもグッジョブ。南さんのふとももが……ガーターが……びくんっ！　びくんっ！

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