カレとカノジョと召喚魔法 6

カレとカノジョと召喚魔法 6  Amazon
癒し4燃える3泣ける3
上月司カレとカノジョと召喚魔法〈6〉 (電撃文庫)メディアワークス,2006
シリーズ感想
上月司さんの作品感想
いつも通りの風景で綴られるかくれんぼを巡るシリーズ最終巻。初っ端から、いつも通りが切ないですね。いつも通りな癖に、全然いつも通りじゃないですから。違和感のために揺れる雪子の姿に、こちらが泣きそうになってしますよ。てか泣きました。
最後ということで多くの人物が出てくるのですが、まどかさんがよかったなー。話しやすい雰囲気を作りつつ、しっかりと聞いてくれる人って重要だと思います。あと、いずみがどう絡んでくるのかと思いきや、わりとキーマンだったのね。


今まで知らなかった遊矢に触れてしまった雪子のショックは、ものすごいものだったろうなと思います。悪意あるものじゃなく、優しさからくるものでも、嘘って塗り固められていますからね。
付き合い始めたばかりの彼女が自分に合わせて、「私も納豆好きだよ」と言ってくれたので、よかれと思い納豆を出していたら実は嫌いだった、みたいな。……違うか。まあ、この手の問題はさらけ出すことで二人の仲がさらに近づく可能性も秘めているわけで。
とふりつつ逆に、挽回のチャンスのない最後の最後で明かされるとどうしようもないんだけど。「………………あんまり……泣かせ、ないでよ……っ」が苦しかったのですよ。


これまで遊矢が鬼を探す役を務めることがほとんどだったような。雪子が隠れてる人物を本格的に探すのって、今回が初めてなんじゃないでしょうか。なおさらいつもと違って新鮮でした。それと、伏線の回収とか意表をつかれましたね。
隠れてた人も隠されていた思いも、全部明かされてかくれんぼは終わります。後は、鬼も含めてみんな仲良く日常に戻っていく……そんな素敵な最終巻でした。ほんと、読めば読むほど面白くなっていくシリーズでしたよ。