俺の妹がこんなに可愛いわけがない

伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)』アスキー・メディアワークス,2008
伏見つかささんの作品感想

メタだという感想をいくつか読んで手にとってみたものの、なんかうまい具合に釣られてしまったような。いまどきのかわいい中学生の妹・桐乃と彼女から邪険にあつかわれる兄・京介のお話。
そんな関係が、桐乃から人生相談を持ちかけられることから変化していきます。それなんてエロゲ？的な展開を見せたり、見せなかったり。フラグはともかく、桐乃のお宝が出るわ出るわの状況のときは、京介ならずとのもつばをごくりと飲み込んでしまいます。濃いな。

妹と２人で妹ゲーをやる場面は吹いた。そうそう、そうなんだよ。１８禁だということをつい忘れて友達に話しちゃったりだとか、妹にイラストを見せちゃうとか、酸っぱい思い出が浮かんでは消えていきます。そういう時期が私にもありました。
こういう場面に出くわすと、いつもは高圧的な桐乃も中学生なんだな〜と思います。冷静なフリをしつつも、好きなことはついつい口数が多くなるんだよね、私は今もそうだけど。
京介のアドバイスによって行動する場面は、私も緊張してしまいましたよ。空回りな桐乃にはハラハラさせられました。

おばあちゃん役で出てくる麻奈実が地味にかわいいな。京介との仲は、ある意味親密過ぎです。妹に光があたっているので、本当に地味な脇役ですがいい味出してます。
コミュで知り合った、ネコ耳としっぽをつけてウマウマを踊るハンドルネーム・黒猫は個性的過ぎる。その外見だけでもうおなかいっぱいなのに、さらに邪気眼属性もあるってどんだけつわものよ。
そして、管理人の沙織が好みやわ〜。変な子だけどいい子。ぐるぐるメガネも大好きです。

最後は対決になるのですが、この辺りの下りは、ちょっとおおっぴらにできない趣味がある人はみんな共感できると思うんですよ。京介……バカだしアホだけれどもいいお兄ちゃんだな。
タイトルに釣られようが、きつめの妹のイラストに釣られようが、乃木坂さんの帯コメに釣られようが、面白かったのでよかったです。お兄ちゃん視点がとても心地よくて、読んでてとても楽しかったー。

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