釘男
相原あきら『釘男』アスキー・メディアワークス,2008
相原あきらさんの作品感想
学校で教師が殺されている事件がおき、そこで目撃された不気味な釘男を巡る物語。ぼんやりした風貌をしている中年の猪瀬と若さがあふれている柿沼の生活安全課のコンビがメイン。
警察内部の動きも描かれているのだけれども、署長のやる気なさというか行き当たりばったりな無謀さはギャグレベル。この人のおかげで物語が暗くなりません。……実際にいたらたまったもんじゃないけれどもー。
序盤から不気味なやりとりが続いているので、子供が絡んでいる空気満々なので嫌な予感しかしない雰囲気の中で読み進めました。
「大反響! この本の登場人物からの声続々!」という帯文を読んだときには、どんなメタギャグが飛び出すかと構えていましたが、蓋を開けてみれば様々な形で子供と周りの大人を描いた手堅い警察物でしたよ。
謎解きというよりは社会の闇とかがメイン。最大の肝は犯人の動機でしょうな〜。
この小説が好きな人にお勧めする3
1、相原さんの小説『世界は悪魔で満ちている? 』ギャグエロコメディ脅迫風味。→感想
2、古処誠二さんの小説『フラグメント』偶発的に出来上がった密室と子供たち。
3、東野圭吾さんの小説『放課後』動機とか終わりとかで驚かされた記憶が。密室謎解き。→感想