ぶよぶよカルテット

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コミカル癒し
みかづき紅月ぶよぶよカルテット (一迅社文庫 み 1-1)一迅社,2008
みかづき紅月さんの作品感想

deltazuluさんの感想を読んで手にとりました。突飛な行動で周りを驚かせる天才肌の音楽少女・トリル先輩と彼女に巻き込まれた凡人・琢己の物語。


トリル先輩から身を遠ざけていた琢己ですが、夜の学校で密会し二人で一つになる悦びを知ってしまったからか、琢己はトリル先輩にずぶずぶとはまっていきます。彼女の指使いは鳥肌ものだったそうで仕方ないかな。
学校の屋上で二人きりという状況で過ごすうちに気持ちも少しずつ通じ合い、お互いドキドキしているところで「もうダメっ! 我慢できない」といいつつおたまじゃくしを放出するなど、仲は進展していきます。
そして早々に、琢己の両親の不在をつき、二人は一夜を共にすることになります。この辺りなると二人の仲は熱々ですが、中に入れた指も温かさを感じたようで。一夜明けた後の琢己をいたぶる小悪魔的なトリル先輩がいいですな。


というわけで、みかづきさんがデビューされた美少女文庫的な書き出しをしてみました。なまこの想像とかわりと下ネタも出てきます。セリフひとつとっても、「やめないで。そのまま、して――」なんかエロす感じるのは私が悪いんでしょうか。


さてさて、トリル先輩は山高帽をかぶっているのですが、敬愛しているサティという異端な作曲家を真似しているようで。最初はサティが実在の人物だとは思っていませんでした。いろんな奇行やみょうちきりんな作品タイトルなど、ありえない〜と何度も心の中で叫んでいましたから。
トリル先輩以外にも、先輩と対立し琢己とも過去になにやらありそうなプロのバイオリニストにして天才作曲家の凛音やトリル先輩と同じく天才肌で琢己を目の敵にする絵描き・ピカ先輩なども登場します。
天才との距離を感じて離れてしまったり、その隙に凛音とのフラグを立てにいったりごちゃごちゃしますが、文化祭への出し物を計画するわけで。四人でひとつのものを作り上げようとするところはよかったなー。
いいな〜いいな〜。最高にぶよぶよした小説でした。


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