ほうかご百物語 2

ほうかご百物語 2  Amazon
コミカル7萌え3
峰守ひろかずほうかご百物語〈2〉 (電撃文庫)アスキー・メディアワークス,2008
シリーズ感想
峰守ひろかずさんの作品感想
全国のニヤリスト必読。真一とイタチのカップルも妙に仲がよくなっていて、ちっちゃくてめんこくてボケ倒しの御崎先輩にさえ劣らないほどに成長しています。くだらない会話の応酬が平和で笑えるお気楽ラブコメ妖怪退治物語。
前巻は御崎先輩のほうにどうしても目がいってしまいましたが、芸術馬鹿だしまっすぐというかあんぽんたんというか……しかも主人公の癖に……そんな真一を段々好きになってきた私がいます。イタチさんをあんまり照れさせないようにー。
帯のコメント「あたし、真一のこと、信じてるから……。」のセレクトは卑怯だと思う。もっと重大な場面かと思ったんに。「……やっぱり」とあわせて甘酸っぱいレモンが山盛りの籠を眺めている気持ちになりました。
前回はあまり目立った印象のなかった美術部員・奈良山も地味にいい味だし始めてます。にこやかに語りつつ、毒を吐くのが素敵なスタイル。


プールに現れた坊主の話が妖怪対決では面白かったなー。妖怪との対決の持っていき方も結末もなかなかに新鮮でした。
河童の話は、以前河童のことを少し調べたことあるから真相を見抜けるかと思いましたが、まったく歯が立ちませんでしたね。残念。新井さんの勘違いっぷりや、真一がイタチさんに手を出してしまうこともお約束とはいえ大好きです。
最終決戦はあるのですがそこまで緊迫感もなく。御崎先輩がおどけて、イタチさんが笑いをこらえることができなくくらいですし。まあ、この物語の雰囲気にマッチしてると思います。


妖怪退治が主軸のこの物語に潜む最大の妖怪は「ニヤケ」でしょうね。御崎先輩のセリフではないですが、本当に油断も隙もなく現れます。
こいつに出会ってしまうと、最悪照れで失神してしまうなどの影響が出てしまいます。対処法はなく、本を閉じても頭の中でにやにやできる場面が浮かび上がってきます。
こいつを退治できる日はくるのでしょうか。いや、ないでしょうし、それでいいと思います。全ての妖怪が危険なわけではないのですよ。