カラクリ荘の異人たち

カラクリ荘の異人たち もしくは賽河原町奇談  Amazon
癒し4コミカル4燃える2
霜島ケイカラクリ荘の異人たち?もしくは賽河原町奇談? (GA文庫 し 3-1)ソフトバンククリエイティブ,2007
霜島ケイさんの作品感想


deltazuluさんの感想を読んで手にとりました。無愛想で面白味のない奴と言われている高校生・太一の話。一人暮らしをすることになるも、其処は普通じゃない人たちが住んでいる場所で。


妖怪や霊能者なんかも登場しますが、少々妙な趣のあるキャラばかりで。拝金主義の術者・十遠見の一言「このようなかたちで犠牲者を出すことになろうとは」には吹いた。
人形であるアカネはキュートですなー。アカネに振り回される太一を見ていると幸せな気分になってくるんだよね。太一に好きだと言わせるシーンが一押し。なんとなく懐かしい気持ちで見守りたくなります。
怖いと言う気持ちを忘れているんじゃないかと心配されたりもするし、太一が羨ましい。


ドタバタな生活を過ごしつつ、太一の記憶と絡み合いながら話は進んでいき、最後はお祭りで締められています。太一と和泉が心を通わせる場面もあったし、化け物退治の結末も脱力系でお気に入り。
太一の成長は周囲の温かい眼差しの御蔭でしょう。其の姿が見えるか見えないかは無関係に。「私が守ってやる」には感無量。本当に太一は恵まれてるよ。


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1 嘘つきは妹にしておく  Amazon2 カレイドスコープのむこうがわ  Amazon3 鳥籠荘の今日も眠たい住人たち  Amazon
1、清水マリコさんの小説『嘘つきは妹にしておく』ファンタジックなそうでないような物語。
2、三木遊泳さんの小説「カレイドスコープのむこうがわ シリーズ」 同調者となり怪異に関わっていく少年の話。→シリーズ感想
3、壁井ユカコさんの小説「鳥籠荘の今日も眠たい住人たち シリーズ」変人ばかりが集まるホテルの物語。→シリーズ感想