沈黙ピラミッド
上遠野浩平『沈黙ピラミッド―ブギーポップ・クエスチョン (電撃文庫)』メディアワークス,2008
ブギーポップの最新作。裏表紙とか章の始めのイラストはかわいらしくて好きだな〜。それに、プロローグにある博士との会話もわりと好き。……前作「オルフェの方舟」読んでないや。
何事にも中途半端な実感しかない睦美と友人で写真を撮るのが好きな時枝、そしてそんな二人に偶然出合ったクラスメイトの真下。この三人組がブギーポップの噂話をしてしまったことから、空気を操る合成人間メロー・イエローを初め、世界の裏側を見ることになってしまいます。
変な四人組はブギーポップを追い求めて動き出すわけで。フォルテッシモが登場してきて懐かしいな〜と思ったり。相変わらずかっこいいです。スプーキーＥもなんか久しぶり。こちらも嫌らしさは健在ですな。
物語に絡んでくる合成人間のチーム四人組もいい感じ。仲間の仇を討つため、能力を駆使しての最終バトルとか燃えましたし。バトルがメインじゃないとはいえ、十分に楽しめる要素ですからね。
睦美とメローの話は、ものさしの話など意味深でよかったです。ほんと世界ってなんなんでしょうね。
最後の焼そばのシーンでは不覚にも萌えてしまいました。くそー、どうしてこんなに思い出ってやつは、はかなくて綺麗なんだよー。そこに存在するけど黙して語らず、ピラミッドっていうタイトルがぴったりですな。
この小説が好きな人にお勧めする３
１、上遠野浩平さんの小説「しずるさん シリーズ」奇怪な事件をしずるさんが解き明かします。→シリーズ感想
２、秋山瑞人さんの小説「イリヤの空、UFOの夏 シリーズ」少年と少女の冒険譚。
３、桜庭一樹さんの小説『推定少女』少女と少女が逃げ出す話。→感想
