ロミオの災難

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来楽零ロミオの災難 (電撃文庫)メディアワークス,2008


ほどよい欲望へ素直さを持つ如月が雛田に一目ぼれし、彼女のいる演劇部へと入部してしまう話。ジャケ買いです。ちぽけっとの人かー。
入部したものの役者をやるのは避けていた如月でしたが、部員の人数とぴったりの「ロミオとジュリエット」のアレンジ台本が出てきたことから物語は急転します。


その台本にはロミオ役へ恋心を抱いてしまう呪いがかかっていたわけで。美人でありそれを隠さずそして如月の想い人でもある雛田や小心者だけど演技力はある新堂など魅力的なキャストで、恋を巡る話が展開されるんだから面白くないわけがないです。
最初は笑いもありつつ呪いに戸惑うメンバーを眺めて楽しみました。真面目で棘のあるしゃべりも繰り出す村上が、如月にクッキーを焼いてきた場面は萌えたな〜。あの場面だけで何度ニヤニヤしたことか。発声練習の場面もよかったです。こちらの腹筋も鍛えてもらいましたよ。
そうそう、一番笑ったのは「西園寺、お前もか」のシーン。完璧に西園寺はコメディ要因だがね。おいしいキャラだ。


中盤以降は本物の想いと偽者が入り混じった恐怖が描かれています。カラーイラスト見た時点で見当ついていましたが、新堂の悩みは相当だったと思います。鈍感主人公を何度心の中で罵ったことか。まあ私は村上派なんだけど。村上派の私としては、間接キスを狙ってそれを指摘されたときの赤面とかで満足してましたよ。
そして迎える文化祭。なかなかうまく進まないけれども、それぞれの呪いと戦いながら舞台に挑む姿は見ていて気持ちよかったな〜。恋をしたことがなかった雛田も想いを隠していた新堂もそれぞれに成長してくれて大満足です。私は拍手を惜しみませんよ。おすすめです。


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