秘曲笑傲江湖 1
金庸『秘曲 笑傲江湖〈1〉殺戮の序曲 金庸武侠小説集 (徳間文庫)』徳間書店,2007
kirisakinekoさんの感想を読んで手にとりました。用心棒稼業を営む「福威鏢局」の若旦那で辟邪剣法の使い手林平之が、人を殺してしまうことから転がり始める物語。
呪われたかのように一人またひとりと消え、死体となって発見される福威鏢局の面々……ホラーのようなミステリアスな展開で進み、さらには門外不出であるはずの辟邪剣法を敵が使ったりと謎が謎を呼ぶ展開。
そして、いいとこの坊ちゃんという感じだった平之が、正義感が強くたくましい感じが前面に出てきて心打たれている間に、英傑たちが集合することになったりも。続々とすごい技が繰り広げられていくから楽しいなー。
令狐中という男にも徐々に焦点が当たっていきます。剣の腕前ももちろんですが、窮地に陥っても口達者な辺り頼もしいですね。
儀林という尼さんも登場するのですが、この子がまたかわいいんですよ。真剣に向き合う儀林と軽く軽くが信条の令狐中の会話なんて、噛み合っているような噛み合っていないようなで大変面白かったです。
みんな一癖も二癖もあるキャラクターばかりで、そんなのがドタバタ騒いでいるんだから面白くないわけがありませんでして。最後の展開には驚いたな。まさかこんなことになるとは……。続きもぜひ読まなければー。
この小説が好きな人にお勧めする３
１、吉川英治さんの小説「三国志 シリーズ」天下統一を争う壮大な物語。
２、鎌池和馬さんの小説「とある魔術の禁書目録 シリーズ」魔術と科学が対立する世界の物語。→シリーズ感想
３、せがわまさきさんの漫画「バジリスク シリーズ」山田風太郎さんの小説「甲賀忍法帖」の漫画。
