犯人に告ぐ

犯人に告ぐ 上  Amazon
燃える4ミステリ4シリアス3
雫井脩介犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)双葉社,2007


「ワシ」を自称する誘拐犯を追いかけるものの最悪の結果を出してしまい、謝罪会見中にもミスをしてしまった刑事・巻島の物語。映画化もされています。
五年後現場に復帰した巻島は、今度は子供四人を殺した「バットマン」と名乗る犯人を捕まえるため、巻島本人がテレビに出て情報を呼びかけるという、従来の捜査にはない劇場型捜査を開始します。
巻島対バットマンももちろんですが、それ以上に巻島対ニュース番組あるいは対警察内部、対視聴者の辺りがとても面白かったです。中でも巻島の上司・植草と巻島を擁するニュース番組のライバル番組に出演しているキャスターとのやりとりなどが楽しかったな〜。特に初期は焦らせてる感じがたっぷりで、駆け引きも魅力的。
そんなわけで、巻島が登場するニュース番組と、その裏番組でありライバル番組の視聴率争いが私の中では一番よかったかな〜。犯人は誰だという謎と平行して、ぐいぐい読ませてくれましたからね。


雫井脩介さんの作品感想