ムシウタ〈01〉夢みる蛍

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シリアス6バトル2鬱2
岩井恭平ムシウタ〈01〉夢みる蛍 (角川スニーカー文庫)角川書店,2003


人間の夢を食う”虫”の存在が噂される世界の話。ちょっと気弱な薬屋が謎の美少女・詩歌に出会うことから物語は動き出します。
薬屋の詩歌へのほのかな恋心にニヤニヤしつつ、活発だけどもちょいと陰がある感じの利菜とのやり取りにもニヤニヤ。利菜にはほどほどに邪険にされる薬屋だけれども、表彰状を手渡す辺りとか楽しかったなー。


そんな日常パートの裏では、”虫”に取り付かれた人間・虫憑きを捕獲するために動く”特環”なる組織の描写があります。特環でナンバーワンの実力を誇る”かっこう”を軸に、特環に対抗している組織”むしばね”や謎に包まれた組織”ハルキヨ”などの単語が渦巻いているわけで。
”かっこう”にも因縁がある虫憑き”ふゆほたる”も物語の核になるわけですが、もうその響きからして儚げ。途中でなんとなく悲しい結末も見えてきてしまって、そう考えてしまってからは何気ない会話でも心にチクチクきて困る。


序盤は悪者のような土師もかっこいいシーンあるし、いいとか悪いとか抜きに、あがき続ける人間の物語でした。これからもまだまだ物語は続きそうなので、気になる終わり方。これ以上辛い物語は読みたくないんだけど、でもな〜でもな〜。


岩井恭平さんの作品感想


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