オオカミさんとマッチ売りじゃないけど不幸な少女
沖田雅『オオカミさんとマッチ売りじゃないけど不幸な少女 (電撃文庫)』メディアワークス,2007
相互に助け合う御伽銀行のメンバーの活躍を描いたシリーズ四作目。脂がのり始めてますよね。
「おおかみさん北風と太陽のセクハラにぶち切れる」おつうさんもアリスさんもぶち切れるほどのセクハラ攻撃が乱舞する話。賞品をかけて我慢大会をするはめになります。水着だとか縄跳びだとか扇風機だとか……本来は暑さを我慢する大会ですが、色々と我慢しなければいけないものは多いようです。
アリスさんが頭取さんに詰め寄るシーンがツボ。うまくいったように思えたのに、墓穴を掘ってしまうとはね〜。頭取さんにも合掌。
「おおかみさん根角少年の嫁探しに協力するハメになる」金持ち少年・忠太郎の嫁探しをする話。執事のハーメルさんとおつうさんが対面した場面が受けた。執事もメイドも濃いな。あと、りんごさんは設定持ちすぎ黒すぎです。コントみたいな楽しさがありました。
「おおかみさん花咲さんの依頼でちょっと熱血スポコンしちゃう」オオカミさんたち寄せ集めチームが野球対決をする話。珍しい人たちチアリーダー姿がいいですな。イラストがあれば、もっとグッジョブだったのですが。
桃先輩による魅惑のここ掘れワンワンプレイ……気になります。目に毒な体つきだし、いっそチラリーダーと改名してください。
そして、汁を出すオオカミさんが素敵ですね。さらに、嘘が嫌いなオオカミさんはもっと素敵でかわいいですね。
「おおかみさんと特に何も起こらない普通の休日」本当に何も起こらない話。たまにはのんびり過ごすことも必要です。
「おおかみさんマッチ好きの少女に宣戦布告される」インパクトのある自己紹介と共に登場するマチ子が亮士を狙う話。何となくオオカミさんの姿を眺めて悶えるりんごさんの気持ちが分かった気がします。私もビクンッビクンッってしそうになりました。
今回はわりとアリスさんが掘り下げられていた感じがします。この調子で、次は魔女さんの意外な一面とか見てみたいヨー。
